言語療法
当院の言語室には、現在言語聴覚士(ST:speech theraist)17名(うち非常勤3名)が勤務しています。当院では主に、脳卒中・頭部外傷などによって起こるコミュニケーションの障害を持つ成人の患者さんに対して、訓練をおこなっています。
言語聴覚士とは?
私たちの生活でお互いの気持ちや考えを伝え合うには、主にことばによって行っています。ことばの障害を持つことによって、伝えたいことを他人に伝えることが難しくなってしまいます。また、声を発したりことばを話したりする器官は、呼吸や食べることの器官でもあるため、この器官の障害によって、食べることの障害が起こる場合があります。
言語聴覚士(ST)は、ことばの障害を持つ方や、飲み込みの機能に障害を持つ方に、専門的なサービスを提供し、より豊かな生活を送れるようにお手伝いをいたします。
日本では1950年代頃より、このような業務がおこなわれてきました。1998年9月に「言語聴覚士法」が施行され、国家資格となりました。
当院で訓練を行っている主な言語障害
失語症
大脳のことばを司る部分(言語野)が損傷されると、失語症が生じます。失語症は、ことばを話したり理解したりすることが難しくなる障害です。
失語症の症状
- 言いたいことばが思い出せない
- 思ったことと違うことばを言ってしまう
- 聞いたことばの意味が理解できない
- 字を読んで意味を理解できない
- 文字を思い出せず、書いて伝えることができない
運動障害性構音障害
唇、舌、顎など、話すときに使う筋肉の運動が障害され、はっきり発音できなくなった状態です。
運動障害性構音障害の症状
- 呂律が回らない
- 声が小さい
- 声が続かない
- ガラガラ声になる
- ささやき声しか出ない
嚥下障害
食べ物や飲み物を飲み込むことが障害されます。食事中にむせる、食べ物がのどに引っかかる、食べ物をうまく噛めない等の症状がみられます。食べ物や飲み物が気管に入ると、肺炎を起こす場合もあります。また、体重の減少、脱水などの原因にもなります。
嚥下障害は、運動障害性構音障害(発音の障害)と同時に起こることが多くあります。